なんと、ブーイングが出ました!
これは、演出・振付のニコラ・ムシンと、指揮者のマルク・ピオレに対するものでした。
何故、ブーが出たのか、これを私なりに考察いたしました。
1.モーリス・ラヴェル役の女優、美加理の起用の仕方がとても無意味に思えた。
・・・・・モーリス役の美加理は、場面ごとに衣装を変えて登場するのだが、朗読をするとか、(意味のある)マイムをやるとか、全くそういうことはなく、ただただ、舞台をチョロチョロするだけで、彼女の才能が今回の上演にあたり、何故必要だったのか、全く理解に苦しむ。特に、「洋上の小船」において、モーリスが何故かお風呂に入り、あつーい!!と言わんばかりにお風呂から飛び出すのだが、意味不明(私が鈍いのか?)
2.バレエの振付が、全くもってナチョ・デュアトの出来損ないの作品みたいに思えた。
・・・・・振付が音楽と全くシンクロせず、ラヴェルの音楽の良さが全然生かされていない結果になった。更に、オペラ「スペインの時」で小道具に使われた時計を、「ボレロ」の時にバレリーナ達が手にして出てくるのだが、これも意味不明。時は巡るもの、ということを言いたいのか?最後に、モーリスが投げ捨てられた時計の山から出てくるのも?????
文句ばかりでなく、良かったことも言います。
ジョン・健・ヌッツォに代わってゴンサルヴェ役を演じた羽山さんは、良かったです。時計屋の妻を口説く?気取り屋の学生をリリカルな美声と軽やかな身のこなしで、コミカルに演じ、彼を聴けたのは収穫でした。
バレエ・ダンサーに対するブーは無かったと思います。私的な欲を言えば、「ボレロ」のような音楽は、志賀三佐枝さんとか小嶋直也さんのような音楽性に富んだダンサーの踊りで見たい気もしましたが、なんせ振付が・・・・・ねぇ。でも、湯川さんや市川さんに対し不満だ、と言ってるわけじゃないですよ。
しかし、こういう創造的挑戦は続けて欲しい、と思っています。
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